「ようこそ!『川の日』ワークショップへ!」 堺かなえ(「川の日」WS 実行委員会事務局)

「これが私的“いい川”−荒川です」
写真は足立区地先 2002年7月
まずはじめに 〜犬山さん、ありがとう!〜
 今回このRelay Column “私的「いい川」「いい川づくり」観”企画の話を聞いた時は、「面白そう!ぜひに!」と賛同(煽動?)したものの、まさかこういうカタチでお鉢がまわってくるとは・・・。
 この「川の日」ワークショップのホームページを、前回執筆の犬山さんが立ち上げてくれたのは3年位前、第2回開催後の頃だったと思います。内輪バナシを少しだけてさせてもらうと、第1回の頃は事務局のパソコンは、「置き物」でした。それからの月日、数々のトラブルをサポートし、ホンの数年でここまで(まだまだ?)電脳化してもらいました。ホームページの立ち上げ以来「(管理を)引き継ぐから」と言い続け、半ば匙を投げられた状態で、今回のリニューアルも無言でサクサク上げてくれました。彼は日頃、造園業を営む若社長!なんですが、あちこちの水辺へ赴き、全国水環境交流会をはじめ、全国の地域ネットの活動を陰で支える、やはり根っからの水辺好き、前回のコラムで彼自身が言っていたところの「虫」のひとりです。
ドブ川・コーラ世代の原風景?
 「ドブ川・コーラ世代」、そんな言葉を聞いたことがあります。高度経済成長時、60年代70年代前半に生まれ、まち中の川がドブ川と化す中、コーラに代表されるような文化を無自覚にがぶ飲みしながら育った世代を指すんじゃないかと経験的に思います。確かに育ったまち(埼玉県川口市)の川(芝川、荒川)は「小鮒釣りし」でも「さらさら行くよ」でもありませんでした。よく「ふるさとの川」とか、「原風景としての川」とか言いますが、哀しからずやドブ川だって原風景です。まずは、覗いてみること、近づいてみること、触れてみること、そこには、毎回何か新しい発見があって、そうしているうちに、だんだんその川の持つ「におい」(悪臭じゃありません)が自分のものになっていくような気がします。そんな原風景とも言える川、言わば「わたしの川」にかぎらず、何処かへ出かけても、人の息づかいがプンプン漂う「まちの川」の風景、風情に魅せられることは多いです。
 先日、ある川の集まりで、「ホタルを見たことがない」ことをカミングアウトしたら、最近はホタルも子どもも少しずつ水辺に戻りつつあって、もはやそれは「稀少種かも」とのことでした。前回、犬山さんが話題にしていた「ドブ川サミット」ではないけれど、「ドブ川」とは何たるか、ドブ川世代が語る「ドブ川」、なんていうテーマで掘り下げて語り合ってみるのも面白いかなぁと。その時々、人との関わりで姿を変えるのが川であるなら、また、川が再び“いい川”になっていくのだとしたら、かつてはこんな川だったんだよ、それがこうしてああして、こうなったんだよ、ということを伝えていくのもドブ川世代の一つの役目になってくるのかもしれません。
「川の日」ワークショップに集う人々
「鳥(マガン)になりきる!」−第4回「川の日」WS二次審査の一場面,グランプリ受賞の蕪栗沼(宮城県,蕪栗ぬまっこくらぶ)の発表
 ドブ川世代よりたぶんもうちょっと前の世代、近くの川で毎日のように遊んで、とんでもない怖いめにあったりしながらも、川の水を身体いっぱいに染み込ませて育った世代。そうした「川」が身近にあった世代が、失われたもの、失われつつあるもの危機感に突き動かされて、はたまた、その身に染み込んだ「川」を伝えるべく、各地の水辺で先頭に立って取り組んでおられる方々なんだと思います。「川の日」ワークショップには、全国からそんなエネルギッシュな言わば「川守(かわもり)」達が集います。だれの心にもそれぞれにある“いい川”、その関わりとしての“いい川づくり”、私はそんな風に捉えていますが、「川の日」ワークショップの醍醐味は、そうした“いい川”“いい川づくり”を持ち寄り、伝える、見つける、分かち合う、人と人のエネルギーのやりとりにあるような気がします。
なぜか、毎年のワークショップの時は、灼熱の真夏日(昨年)だったり、直前に台風が襲来したり(2回、3回)…、当日のコンディションは別にしても、どうして忙しい中、パネルを一生懸命作って、発表の練習を重ねて、みなさんやって来てくださるのか?参加を呼びかけておいて言うのもなんですが、時々不思議に思うこともあります。ワークショップは年に1度のお祭り?いえいえ、皆さん真剣です。公開審査−ちょっと堅苦しい感じも受けますが、発表者は普段の思いと汗を3分間という時間に凝縮して発表します。年々発表の内容も、その表現方法も、多様さ、豊かさ、柔らかさを増す中、それを受け取る、審査する側も真剣です。さまざまな立場からの多くの視点、つまりは多方面から光が当たることにより、それぞれのタカラモノ、当事者も気が付かなかったような新たな輝きが見出される、そんなことがこのワークショップで起きていると思うのは、言い過ぎでしょうか(事前宣伝としてお許しを・・・)。
 “七夕−「川の日」”、1年に1度の邂逅も大事な時間ですが、一つひとつの発表を見るにつけ、「行ってみたいな」と思う川が年々増え続けてしまうのは、私だけではないと思います。機会あらば“いい川”、そしてその川の「川守」に会いに行く「“いい川”を巡る旅」を!そんな野望を抱いています。
いざ!第5回「川の日」ワークショップへ!
 もう、第5回「川の日」ワークショップの準備、エントリーが始まっています。昨年の第4回までで、エントリーした水辺は300を超えました。新しい出会いももちろんですが、そろそろ初回に登場した“いい川”“いい川づくり”も「その後」を携えて再び訪れてくれるのではないかと期待しています。毎年この時期になると、今年はどんな顔ぶれが揃うのか、どんなワークショップになるのか、わくわくと(事務局的にはホントは戦々恐々?)過ごす日々が続きます。7月13、14日、第5回「川の日」ワークショップでお会いしましょう。
 次回は森山奈美さんです。

他己紹介:森山 奈美さん
 褐葢P川(石川県七尾市)の森山さん。昨年第4回のワークショップの二次審査での携帯電話を使った会話風一人舞台(その日に考えた即興だったとのこと!)の印象は鮮烈でした。「全国ドブ川市民サミット」から2年、彼女の思う“いい川”とは?昨年の発表者として参加した印象裏話等々、存分に語ってもらいましょう。


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