MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
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ぴかぴかの会場

第3回 韓国「川の日」大会参加報告

2004年9月15日 長倉 庸子(全国水環境交流会)

「冬のソナタ」で爆発的な韓流ブームの真っ只中、仁川(インチョン)行きの便は、長い列を作ってほぼ満席状態。それを横目で見ながら、比較的空いている大韓航空KE716で、第3回韓国「川の日」大会に参加するため釜山の金海空港へと向かいました。
 どんよりとした曇り空のもと、空港から車で40分ほどの釜山市内にあるユースホステル・アルピナに到着。今年の7月にオープンしたばかりの会場は、ピカピカで、聞くところによると今回の川の日大会はオープン後の初めての大きな催しとのことでした。
 「日韓河川保全のための国際シンポジウム」では、日本からパネラーとして参加した国土交通省河川局河川環境課の宮藤さんと、千葉県河川環境教育研究会の小川さんがそれぞれ話題提供をしました。

今年の韓国川の日大会のエントリーは44団体。
全体集会による選考方法の説明にはじまり、活動分野や活動主体、活動事例別に大まかにグループ分けされた各テーブルごとの予選、復活選考、そして最終審査の段取りで進められました。
発表とは別にパネルセッションとしてのコーナーが同フロアに設けられ、パネルの前には各団体の活動をまとめたパンフレットや、作成したマップなどが自由配布で並べられていました。
テーブルごとの予選は、7つの教室に分かれて行われましたが、活動分野別に大まかに分けられた各教室を、日本側参加者は2、3人の小グループに分かれて回りました。雰囲気は本家の日本とまるで同じ。
韓国「川の日」大会にエントリーした活動を全体を通して感じたことをあげると、次の通りです。
1. 韓国内の中小河川では、多自然型川づくりがここ数年さらに盛んに進められている
2. 河川環境保全のために、市民団体だけでなく、教会などの宗教団体や、企業(今回は浄水器関連の会社)なども関心を持って取り組んでおり、地元の住民、市民を巻き込み、規模の大きいクリーンアップ運動などを展開している。また、募金活動などによる、湿地の保全のためのトラスト運動も活発に行われている。
3. 小中学校から高校生まで、環境教育も、河川や水辺をフィールドとして組み込んでおり、子どもたちは劇や、ミュージカルなどを駆使して、年齢に応じた活動発表を行っている。
4. 行政と市民が連携して取り組む官民共同事業も増えてきている

 白熱した予選の後は、日本の優秀事例の発表となりました。今年度の日本のグランプリ受賞河川の石川県御祓川より「川への祈り実行委員会」の森山外志夫さんと森晴志さんがプロならではギターの演奏を交えての発表をされ、また山形県最上川の「NPO法人パートナーシップオフィスの」金子博さんと岩間瑞さんが官民協働で行った「水辺の散乱ゴミ等の指標評価づくり」についての活動紹介を行いました。韓国内では、似たような取り組みや発表方法がなかったため、韓国の参加者は真剣に発表に聞き入り、発表後も通訳を通して熱心なヒアリングを展開していたのが印象に残りました。
 
 予選通過を見送った活動のための敗者復活の結果と最終審査を翌日の午前に残して、夜は参加者全員での交流会。持ち寄った日韓のお酒を酌み交わし、和やかな雰囲気で楽しい時間をすごしました。そこには、日本の「川の日」ワークショップの交流懇親会のような食べ物と飲み物の争奪もなければ、ステージでの最後の熱狂的なアピール合戦もありません。今年も交流会では、韓国文化を披露すべく、伝統芸能の太鼓を用いた演目や、4大河川の水をひとつのカメに入れて、思いをひとつにしようという民族衣装を身にまとった美女の舞踊、日本から持っていったお酒と韓国の焼酎の飲み比べなど、楽しい余興のひと時はあっという間に過ぎていきました。

開けて9月11日土曜日。最終審査員がステージの下に一列に並ぶ。日本から参加の山道事務局長もその中に混じって審査にあたりました。はじめに貼られた投票数に、最後のアピールの点が加えられての選考方法です。
最終的に、ソウル近郊を流れる炭川(タンチョン)の支流野塔(ヤッタプ)川で、森林と川の保全および子どもたちの野外教室などを通して活動をしている「ブンダン環境市民の会」がグランプリに選ばれました。彼らは過去2回とも最終審査まで残りながらもグランプリを逃していましたが、三度目のチャレンジで、見事に賞を獲得することとなりました。活動内容は非の打ち所がなく、群を抜いていたがために逆に受賞が遅れてしまったと通訳が訳してくれました。その他、80年代ワースト河川だった川を下水処理場ができたことにより、市民の意識も高まり、きれいな川になったという鶴儀(ハッギィ)川、大勢の子どもたちの寸劇による発表が特に目立った漢江(ハンガン)、そして昨年に引き続き、母親と子どもががんばって環境保全活動を続けている道林川(ドリムチョン)などが最終選考でほとんど大差のない接戦となりました。
優秀事例に選ばれた10河川は以下の通りです。

◆第3回「韓国」川大会 優秀河川及び賞名
河川名 活動団体名 賞名
1 野塔(ヤッタプ)川 ブンダン環境市民の会 ホタルの賞
2 錦江(グンガン) グンガン河川整備反対対策委員会 対話で賞
3 萬項江(マンギョンガン) 萬項江生態河川づくり民・官・学協議会 民と官の融合(協働)で賞
4 鶴儀(ハッギャン)川 安養市役所 子どもたちのいい友達で賞
5 道林(トリム)川 健やかな道林川をつくる市民の会 ボードゥルチ(虫の名)と友達で賞
6 漢江(ハンガン) ハンガン生態保全市民の会 大河川で賞
7 温泉(オンチョン)川 青龍小学校 環境を守るで賞
8 炭川(タンチョン) 炭川を守る青少年団 炭が香るで賞
9 水原(スウォン)川 水原市役所 文化と命の賞
10 維鳩(ユーグー)川 ウンジンCoway会社 エンジョイ賞

日本と韓国の「川の日」ワークショップを通じての交流は、今年で4年目となる。それ以前からもシンポジウム等の参加などあったが、この大会期間中、関係者による日本と韓国の今後の交流についての話し合いが持たれた。日本と韓国の交流をさらに進めるために、具体的な行動に出ましょうと、日本と韓国の共同宣言文が発表されました。
その主な内容は、
1. 日本と韓国のNGO間、及び河川ごとにネットワークを構築する。
2. 日本と韓国の共同プログラムとして、環境教育プログラムの開発、交流事業を行い、2005年に発表をする。
このような具体的な行動を明確にした宣言文は、韓国の実行委員長であるヨム・テ・ヨン氏と日本側の参加者代表である山道省三氏が署名の上、固い握手と共に取り交わされました。
「日・韓河川再生ネットワーク宣言文」はこちら

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ポスターセッションコーナー

予選のひとコマ。歌でアピール。


日本代表2チーム

民族衣装が素敵です

宣言文の調印