MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
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東京・世田谷で源流を思う〜第5回全国源流シンポジウム〜

2004年10月4日 犬山清史/堺かなえ(全国水環境交流会)


休憩タイムには源流の水で作った源流コーヒーをどうぞ!
■小田急版「川の時刻表」
 
小田急線は学生時代に通学で使った電車。最近はめっきり乗る機会が少なくなったけど実は本家「川の時刻表」にも劣らない、線路を横切る川を楽しむことが出来る路線なのです。
 私が乗車するのは始発の片瀬江ノ島。藤沢を経由して町田まではあまり川を横切ることはありません。この区間は境川の河岸段丘上を線路が走っているからです。ところが境川を越えて町田駅を過ぎると外の景色が変わってきます。「ここが東京都下なのか」と思うほど緑が豊かなのですが、このあたりは鶴見川の上流部にあたり、恩田川、鶴見川本川と並行して走り、真光寺川、麻生川と中小河川を過ぎていきます。読売ランド前で五反田川、登戸の多摩川を渡り、野川、仙川・・・と景色を楽しんでいると今回の源流シンポジウムの会場に近い経堂駅に到着です。

■第5回全国源流シンポジウム
 今回で5回目になる源流シンポジウムですがいままではまさに「源流」と言うにふさわしい中山間地での開催が多かったのですが今回は東京は世田谷区、馬事公苑の目の前、大根踊りで有名な東京農業大学での開催です。何故世田谷なのかということもありますが、「都市生活者に対し、源流域の自然、歴史、文化、国土保全の役割等を広く周知、啓発するとともに、「源流は国民共有の財産である」「源流を大切にすることは、国民的課題である」との理解と共感を広め、源流域の環境保全、地域づくりへの寄与を促すことを目的」との主催者のアナウンスを聞けばそれも納得。東京にいると源流のことなんか考えないですから。しかし今回の参加者は参加者数600名と大盛況。椎名誠氏の基調講演、多摩川流域の自治体、NPOメンバーによるパネルディスカッション、懇親会と参加者は大いに楽しんだ様子でした。

■雨の中のエクスカーション1&2(犬山清史)
 前日の晴天が嘘のように空はどんより。雨も結構降っています。それでも集合場所には全国からこの日を楽しみにしている人たちが集まり、パスに乗っていざ出発。今回は野川流域を中心に都市河川の現状を見て回ろうというもの。私も学生時代以来久しぶりにゆっくりと野川を見て回れます。
 バスの中での自己紹介も終わらぬうちに最初の目的地、姿見の池へ。JRのトンネルから導水した地下水が恋ヶ窪用水を通り、この池に流れ込んでいます。パックテストをしながら、次は真姿の池・お鷹の道湧水群へ。段丘の上に大規模マンションの建設が進んでいるという話を聞いていたので湧水もずいぶん減ったのかなと思いつつ訪ねてみると雨降りも手伝って結構湧水の量は多いみたい。野川公園付近の野川本川も雨水排水が入っているのでいつもと違う雰囲気。だってこの夏は川底が見えていたって言うんですから逆に珍しい野川の様子を見られたと言うことでしょうか。次太夫堀公園内の民家園ではその古民家のつくりのすばらしさに感動し、最終地点の野川と仙川の合流点を見学して解散したのでした。

■雨の中のエクスカーション3(堺かなえ)
 地元川崎市民から遠くは岡山、三重からの参加者を含めた一行23名は、川崎の屋形船「長八」さんの船に上船、川崎市塩浜を出発しました。
 コース最初は、多摩川下流・河口域を中心に活動している「かわさき・海の市民会議」の安元順さんがガイドしてくださいました。京浜工業地帯、羽田空港などメガシティ東京の海の玄関、巨大な構造物が目に付きますが、ここ多摩川河口部は砂洲や干潟、ヨシ群落などが見られ、野鳥も数多く訪れる場所です。1999年の魚類調査では、マハゼ、ビリンゴ、ボラなど38種類が確認されているそうです。
 多摩川左岸は大田区羽田。海老取川をぬけた先、地元市民の議論から生まれた「大森ふるさとの浜辺公園」へ。ここは小規模ながらかつての干潟・海浜を再現し、維持管理についても市民が関わっていこうとしています。モノレールを見上げながら京浜運河を抜け、東京湾へ。いまも海を侵食しつつ(?)開発が進む湾岸地区です。右手遠方にディズニーランドが見えてくると正面は荒川河口、湾岸橋がゲートのように迎えます。右手は人工なぎさを控えた葛西臨海公園です。船着場もあり、いつもの日曜日なら多くの人で賑わうこの辺りも今日はひっそりとしています。
荒川は河口から岩淵水門までの約22キロ、開削され通水80周年を迎えた荒川放水路の部分を溯上しました。普段は石油を運ぶタンカーなどが行き来して、それが独特の風景を醸し出しています。ゆったりと船は進み、雨の日にはことさら目に鮮やかな赤い色の旧岩淵水門が見えてきました。岩淵リバーステーションから一旦上陸(要許可)し、「荒川知水資料館amoa」を見学しました。ここが、隅田川・荒川の分水点、ここから今度は荒川放水路完成以前の旧本流である隅田川を下ります。
隅田川の沿岸地区はスーパー堤防などの整備が進み、いわゆるカミソリ護岸を今まさに崩している途中、というところもありました。親水テラスにはブルーシートのアパート群。良く見ると各戸のつくりはそれぞれ、出来、不出来もあって遠方からの参加者の目を引いたようです。これも東京の一つの姿です。そして、浅草吾妻橋辺りの賑やかな町並みに入り、ゴールの両国リバーステーションに無事到着しました。源流の最初の一滴が旅の最後を迎える場所、生憎の雨で船内窓越しの視察でしたが、水辺から東京というまちを眺めると、そこにはさまざまな表情がありました。今度は是非、晴れた日に!

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雨の中の屋外での移動はもまたいい思い出、かな?。


外はあいにくの雨模様。船の中でガイドの話を聞く面々。


パラペット護岸を削っている様子。雨で見にくい写真ではありますが。