MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
http://www.mizukan.or.jp


第4回韓国「川の日大会」レポート

「川の日」ワークショップ実行委員会事務局 長倉庸子



会場の外にも展示が
日本の「川の日」ワークショップが終わると、続いて韓国の「川の日」大会の季節がやってくる。
今年の韓国「川の日大会は、忠清南道(チュンチョンナムドウ) 公州(コンジュ)市で、8月18日(木)から20日(土)の3日間、韓国・川と水辺のネットワーク(NRW)の主催で開催された。
今年は公州大学のキャンパスを利用しての開催となったが、日本からの参加者は事務局を含めて11名。全員、大会前日17日に仁川(インチョン)空港で集合し、高速道路を走ること3時間半。現地公州へと向かった。
いつもながら感じるのは、会場設営の立派なこと。入り口の看板やポスター、ステージの背景を覆う垂れ幕はダイナミックなスケールと、洗練されたデザインが美しい。



◇大会初日は国際シンポジウム
百済王朝時代の名残が城郭や王陵など町の随所に見受けられるかつての都、公州市。市内を流れる韓国4大河川のひとつである川錦江(クンガン)の対岸に公山城が見える。




開会式終了後、3時間に及ぶ「国際シンポジウム」では、オーストラリア、アメリカ合衆国、日本、韓国の4カ国の川の祭典が紹介された。
オーストラリア・ブリスベン市で毎年開かれている「River Festival(リバーフェスティバル)」からは事務局長がプレゼンテーションを行った。今年で8回目の開催という。学術発表や活動事業をリバーシンポジウム部門で表彰する。なんと賞金はオーストラリア国内河川の活動には5万豪ドル、海外の取り組みには15万豪ドルが贈呈され、事業費の一部に当てることができるという。シンポジウムの他にも川沿いでの花火大会や、創作舞踊、原住民の音楽など様々な文化的催しが開かれる。正式事前登録参加者は、世界各国から600名ほど、一般市民をも巻き込んだゴールドコーストの一大イベントと言われている。
(http://www.riverfestival.com.au/)
続いて、アメリカ合衆国の「Haw River Assembly」の発表。ノースカロライナ州を流れるHaw川で行われている環境教育プログラムの紹介だが、20年ほど続いているこの活動は、設立当初は川の汚染に着目し、次の世代にこの環境を引き継ぐことに危惧を抱いた市民グループが始めた小さな活動が、やがては大きなassemblyとなった。過去15年に、28000人以上の学生がプログラムに参加し、400人以上のボランティアが関わってきたという。自分たちが暮らす身近な川の水質の汚染に気付かせることを導入部として、森や川や自然の息吹をあらためて感じさせる、そこでとれる粘土で動物を作らせたり、水辺の生き物を学ぶなどの盛りだくさんのメニュー。3週間の合宿プログラムから日帰りのプログラムまでを、わずかな常勤スタッフとコピー機もないような質素な事務所で活動を地道に続けているという。
(http://www.hawriver.org/)
そして、日本からは「川の日」ワークショップ実行委員会山道事務局長から、日本の川の概要説明、「川の日」ワークショップの背景や経過、今後の展開についての発表があった。英語で準備していたパワーポイントとスピーチ原稿が、なぜか同時通訳の都合により土壇場キャンセルされたという、ちょっと悲しいハプニングあったが・・・。
4カ国の発表を聞きながら、各国の取り組みについて比較してみると、オーストラリアの「リバーフェスティバル」は、主催者側は定められた目標額を目指して最終的には財団をつくりたいようであり、文化的なオプショナルイベントをつけることで、多くの人を巻き込み開催しているように思う。ブリスベーン川とその周辺のビルの屋上から打ち上げられる花火は、花火大会として多くの観光客も含め多くの市民が毎年楽しみにしているイベントのひとつらしい。また、アメリカ合衆国の「Haw River Assembly」は、環境教育プログラムをテーマに展開しているものであるが、草の根の活動がノースカロライナ州全域の小中学校から注目を浴び、大きな活動へと広がっている。比較しやすいのは日本の「川の日」ワークショップと韓国の「川の日大会」である。もともとは、第3回大会から双方の招待参加という交流が始まり、2001年から韓国での「川の日大会」が開催される運びとなったが、日本では、過去7回を東京での開催し、今年初めて東京を離れて愛知県豊田市で開催したのに対し、韓国では毎年、各都市を持ち回りで開催している。いろいろな地域での開催を率先して受け入れる大きな市民団体があることは、ある意味羨ましいことでもある。
四カ国のプレゼンテーションの後、日本の「川の日」ワークショップの優秀事例の紹介として、特別発表の時間が設けられた。今年は、準グランプリを受賞した長野県片桐松川の松川北小PTAの橋爪さん、愛媛県内子町の石畳を思う会の大木さん、大阪寝屋川の寝屋川再生ワークショップの上田さん、沖縄県石垣市新川川を育てる会の谷崎さんが、それぞれの活動についての発表をした。
発表終了後、韓国にはないさまざまな取り組みについて、会場参加者から盛んに質問が飛び交い、テレビ局の取材を受けた。

◇いよいよ韓国「川の日大会」
今年の第4回韓国「川の日」大会は、前日の国際シンポジウムに引き続き、公州国立大学を会場として開催した。参加団体は37。これをAからGの7つのテーブルに分けての一次審査。全体説明会の会場である研修棟の大講堂はほぼ満員、ステージにところ狭しと並ぶ発表者たち。今年も子どもたちによる寸劇あり、歌あり、パワーポイントやスライド等を使った発表ありと熱気のある発表が繰り広げられた。講堂の外にはパネルセッションが設けられ、発表に使用するパネル以外に制作されたパネルや当日来場できない団体などのパネルがたくさん並べられ、人気投票のための青いシールを貼る投票用紙も設置されていた。
会場の2階には、関連企業のブースが設けられ、防災情報提供のソフト展示や、土木工事の資材メーカーや、水質調査のための機材が並べられ、宣伝や営業活動が行われていた。3階には、公州を流れる錦江(グンガン)周辺に生息する動植物の写真展示コーナーや昆虫の標本などが並べられていた。受付を通った参加者すべてが投票用のシールをもらって、投票できることを除けば、その審査の流れはほとんど日本と変わりないが、テーブル審査のグループ分けは、活動のテーマごとの分類ではなく、ソウル都市部、地元公州地区、南部、釜山地区、仁川地区、北部のように、地理的に区分されていた。
応募様式、審査員の投票用紙となるキャラクターの付箋、選考の流れ、パネル立て、そしてアクリルフレームの表彰状。日本と同じ方法やツールが使われている。どこかで見たシーンの連続。ここはどこ?と一瞬目を疑うシーンも多々あるが、韓国は日本をお手本にして、いいところをどんどん取り入れてやっているのであろう。
最終的に、韓国「川の日大会」グランプリは、ソウル都市部を流れる「道林川(ドリムチョン)」、準グランプリは「錦川(クンガン)」と、「良才川(ヤンゲチョン)」が選ばれた。
また、2年先の開催地として名乗りをあげていた仁川(インチョン)市と晋州(ジンジュー)市は、ロービー前にPRブースを設け、両者白熱したPRを展開していたが、晋州市に決定した。これから2年という時間をたっぷりかけて準備に入るのであろう。
発表にしても、選考にしても、交流食事会にしても、もちろんカラオケにしても、韓国の人は熱い。ニンニクとキムチパワーと何より国民性の違いからか、韓国の熱い「川の日大会」は最終日の雨とともに幕を閉じた。・・・カムサハムニダ!


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川錦江と公山城








日本からの参加者の発表



熱のこもった発表

選考に悩むのはどこでも同じ