MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
http://www.mizukan.or.jp



アウェイの洗礼(全国水がき交流プログラム2006 in 加治川)


サッカーでも野球でも有利だといわれるホームゲーム。実は釣りにもホームは有利。今回水がき達を待っていたアウェイの洗礼とは・・・。

2006年 5月15日 犬山清史(全国水環境交流会)


ポインタをおくと4月の川を
見ることが出来ます。

「雪代」の洗礼
釣り人でなければあまり耳なじみのないこの「雪代」という言葉。簡単に言えば雪解け水が川に入ってきたその水のことをいうのですが、これは釣り(渓流魚の活性)にとってプラスに働くことはありません。雪解け水のため水温が下がり、川は濁ります。増水し、流速もあがるため釣りもしにくくなります。四月に加治川を訪れたときにもかなりの雪代が出ていたのですが、今回はそれ以上です。しかもここは水がきにとってもアウェイの地。雪代に加え地元の利がないわけですからかなりの苦戦が予想されます。新発田市内に住む子供も来たことがない場所のようです。
とはいえ、雪代については想定の範囲。新発田駅に集合した仙台からの水がき三名と地元の水がき四名にとってはおかまいなし。元気に加治川の支流、姫田川の上流部に向かいます。川を見るとそれほど雪代は出ていないようです。
名人に仕掛けの説明を受け、エサの付け方を学んで早速ポイントへ。何匹か魚の顔を見ることが出来たようですが、なかなか厳しいようです。しかし、午後よりも朝の方が雪代が少ないので釣りにはいいので明日の朝に期待するとして早めに宿へ戻りました。夜は名人の釣りの話、加治川ネット21から加治川についてのレクチャーをうけ、翌日の準備をしました。外を見ると雨はしとしと降っていて、天気予報でもあまり期待出来ないようでした。もしかしたら釣りは中止かも。不安を抱えながら布団をかぶったのでした。

日々進化する水がき達
2日目の朝。目が覚めると雨は降っていますが、夜中の本降りよりはずいぶんましだし、山を見るとだんだん雲がとれてきています。夜更かししていた水がき達を起こして出発の準備。期待と不安の中、ポイントに向かいます。雨はやんだけど、結構雨は降ったし、この雨で一層雪代が増えているのではないか。移動中に渡る橋から見る川は増水し、濁っています。これじゃあダメかなあ、水がき達には危ないかもと考えているうちに釣りのベースキャンプに到着。川を眺めて名人が一言。「これぐらいなら釣れるかも」。おにぎりだけの朝食じゃあ寂しいと名人が前日釣った魚を焼いて持ってきてくれました。それに山菜料理で腹ごしらえし、三班に分かれてポイントに分かれます。
しかし、しばらくしても釣れたとの連絡はなし、上流に行った二班は通り雨に打たれたと戻ってきました。しかし、ここまで来て帰るわけにはいきません。一休みして水がき達は昨日釣ったポイントに分かれていきました。するとどうでしょう。ポツリ、ポツリと釣れたよ〜との声が聞こえてきました。昨日釣れなかったからとそのポイントをあきらめてしまうのが大人なのですが、コンディションが変わった以上に子供達の釣りのテクニックが上がっていることが釣れた要因であるようです。ポイントの見つけ方、竿の振り方、エサの流し方など。岩の上に立って竿を振る姿も一人前になっていました。たった二日間でここまで進化するとは、さすがです。しかも釣れたのはこの春放流したものではなく、この川で自然に産卵したと思われる魚。警戒心が強いはずなのですが、二日間で七人のうち五人が釣り上げました。渓流魚は一匹でも釣るのは大変なのに。ちょっと嬉しい誤算でもあり、驚きでもありました。

名人の存在

今回、水がき達が魚の顔を見ることが出来たのは名人二人の存在が大きかったと思います。エサの付け方、ポイントの選び方、魚に気づかれないようなポイントへのアプローチなどさすがとおもうところが沢山ありました。
子供達に対してもただ釣りをするだけでなく、山を大切にする心、自然に対する感謝の気持ち、そして釣ってやるんだという意気込み。水がき達は学んでいってくれたかなあ。アウェイの釣りではこうした名人を捕まえての釣りが、魚と出会るチャンスを広げてくれるのかもしれません。

水がきのやり直し
水がき達が魚をあげる一方でには釣果はありませんでした。子供達の世話をしていて釣りをする時間がなかったら言い訳になりますが、やはり攻め方が悪かったと反省せざるを得ません。
アウェーの洗礼なんて言ってるけど、それを克服出来てこそ本当の水がき。私ももう一度勉強のし直しです。今度来たときは必ずやとリベンジを誓うのでした。
今回釣りはホームの川を見直すきっかけになってくれたでしょうか。これを機に地元の川に今まで以上に興味を持って釣りをしたり、川遊びをするようになってくることがこのプログラムの本当の意味での成功だと思っています。
さて、次回はどこの川で水がきどもを集めようか。さらに進化した水がき達が集まってくるのが楽しみです。

最後に今回協力・協賛して頂いた方々、NPO法人 加治川ネット21、NPO法人 渓流再生フォーラム、NPO法人 水環境ネット東北、加治川漁業協同組合、株式会社 がまかつ、ありがとうございました。
なお本事業は河川整備基金の助成を受けて開催されました。


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