MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
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ポストシーズンのマイナーリーグ

日本全国、名の知れた川ばかりではありません。シーズン終盤、ひっそりと出掛けてみたい川があったのです。マイナーリーグからも来シーズンメジャーに昇格出来る素質を持った選手がいるはずです。

2006年10月8日 犬山 清史(全国水環境交流会)


下流部は鮎の釣り場として有名。
メジャーリーガーとマイナーリーガー
「清流といえば?」という質問にあなたはどう答えますか。四万十川→メディアでとりあげられることも多いし、最後の清流と呼ばれています。多摩川水系秋川→東京近郊の人にとっては身近に感じる清流でしょう。「誰もが知ってる」川をあげる人もいれば、自分の故郷の小さな川や近所の川こそ清流だという人もいるでしょう。どちらも清流であることにはかわりがないのですが、多数派−少数派という考えだけでいけば前者はメジャーリーガー、後者はマイナーリーガーと言えるでしょう。実力はあとまわしで。
さて、伊豆半島でのアマゴ釣りを考えてみるとメジャーリーガーは河津川や伊東松川といった俗に言う東伊豆の河川があげられます。漁協による放流も多いし、釣り人も多いから情報も多く、初めてでもポイントを絞ることが出来ます。
これに対し西伊豆の川は河川延長が短く、水量もそれほど多くないので渓流釣りが出来る川も限られてきます。漁協による放流もシーズン当初がほとんどで、終盤まで残っている魚も少ないようです。逆にネイティブの魚が多いかも知れないし、釣り人が少ない分人的プレッシャーも薄いはず。シーズン終盤、ボウズはいやだけど来年のことも考えて今回はマイナーリーグ、西伊豆町を流れる仁科川に出掛けることにしました。仁科川は西伊豆の川にしては水量が多く、流域に発電所が3カ所もあることから水量が豊かな川であることが期待出来ます。かつて雑誌上で釣れるらしいとの情報を見たことがありますので大丈夫でしょう。アマゴに、そして美しい川との出会いに期待しましょう。

ひっそりと元気なアマゴたち
とはいえ、初めていく川ですから入渓点も駐車スペースがあるかどうかもわかりません。とりあえず暗いうちに到着し、適当な場所に車を駐めて仮眠をとることにしました。朝4:30、いっこうに明るくなる気配がありません。この日は月の光で山の尾根線がはっきり見えていました。5:00、まだ暗い。山の谷間にいるので周りより夜明けが遅いのも仕方ないのですが我慢出来ず準備開始です。ウェーダー履いて、シューズ履いて、サングラスには曇り止めを塗って、ベストにルアーケースを詰め込む。デジカメも持ったし、準備オッケー。ぼんやりながらも川の様子がわかるようにうになってきました。数日前の豪雨の影響もなく、「釣れそうな」雰囲気です。幸い駐車した場所のすぐ下から入渓できるようなので気をつけて川に下ります。
まずはちょっと下って本川との合流点を狙ってみますがアタリはなく、支流を釣り上がることにしました。流れは太いわけではないものの淵と瀬が交互に現れ、ポイントに困ることはなさそうです。そんな中まずヒットしたのはアブラハヤ。外道ですがとりあえずボウズはなくなったし、生命反応があったことが嬉しい。よし、行けそうだぞとキャストを続けます。
水深もそれほどないので今年のパイロットルアー、フローティングミノーにチェンジし、最初にヒットしたのは20cm弱のアマゴ。初めての川で釣れた本命にこの先も期待を。次は流れが岩にぶつかって大きく方向が変わるポイント。そのままフローティングミノーをキャストすると深いところでギラッと光る物体が。確かにルアーに対して何らかの反応を見せたような気がしました。しまった、このシーズンになると1回目のチャンスを逃すと難しいのに。あきらめるわけにいかず、シンキングミノーにチェンジ。流芯の向こう側にキャストしナチュラルドリフトしながらミノーをフォールさせ、流芯に入ったところでショート・トゥイッチ。派手にルアーを踊らせると今度はフッキング成功。この時期らしい精悍な顔つきの8寸クラスのアマゴでした。思った通りの釣り方で、いいサイズの魚が釣れたので満足だったのですが結局3時間も粘ってしまいました。釣果はアマゴ4匹と大漁とは言えない数ですが、その倍のチェイスはあったし、来年に向けていいポイントが見つかったのでよしとしましょう。
その後3時間かけて釣り上がった区間を道路を歩いて15分で戻り、改めて仁科川の本川を釣り上がることに。アマゴの姿は見られなかったものの、養魚場脇でそこから逃げたと思われるニジマスと格闘。(最近逃げ出したようで、胸びれはほとんどありません。)35cmはあろうという魚との格闘を楽しませてもらい、今回の仁科川釣行は終了となりました。

静かにやってくる里の秋
中〜上流部の仁科川は山里の集落の中を流れていきます(集落が川に沿って形成されたというのが正解かも。)。上流は両岸が護岸されていて釣りをするにはムード半減ですが、このきれいな水を使ってのわさび田や水をくむスペースがあったり、オートキャンプ場があったりと来年は釣り以外の楽しみも考えて来ることが出来そうです。下流は鮎釣り場で有名なので興味がある方は出掛けてみてはいかがでしょうか。本川には数カ所で発電用に水をとっていますが水が枯れてしまうような区間はありませんでした。
まだ山は緑、10月31日の禁漁日に紅葉は間に合わないと思いますが、確実に秋本番が近づいている、そう感じさせる1日となりました。

<フィッシングデータ>
ロッド:スミス インターボロンX TRBX-56MT
リール:ダイワ セルテート2004 フィネスカスタム
ライン:バリバス スーパートラウトアドバンスVEP 4lb
ルアー:イトウクラフト 蝦夷50S、ジャクソン トラウトチューンSF、アングラーズリパブリック アレキサンドラ50S

問い合わせ
仁科川非出資漁業協同組合 0558-52-0830

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大アマゴが潜んでいそうな渓相です。

8寸サイズのアマゴ。

セルフタイマーに挑戦。

中流部は里川の様相。