MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
http://www.mizukan.or.jp



「寝てる場合じゃない!」
杜の都、仙台市を流れる広瀬川。上流はともかく、駅から歩いて20分のところにもこんな自然が残っているなんて。仙台市民がなんともうらやましい。

2007年5月24日 犬山 清史(全国水環境交流会)



駅から徒歩20分の世界


町中のヤマメ


まるで米代川
そうなんだよ、おかみさん
 ちょうどその日、仙台では青葉祭りが開催されていました。市街地のあちこちでイベントをやっているようです。仙台といえば牛タン、夕食に入ったお店でもハッピを着た人たちが食事をしています。
 この日は夕方ざっと雨が降ってお祭りも一時中断したようですが、私が遅めの夕食でお店に入った頃にはお祭りも再開したようです。すぐ近くの会場の生中継をテレビで見ながら牛タン定食大盛りを食べているとお店のおかみさん、「夕方の雨はすごかったねえ」と言うので、「広瀬川で釣りをしていたら雷が鳴ってきたから一時橋の下に避難したんだよ。」と答える。「広瀬川で何が釣れるの?」「ん、ヤマメ。」「どこで?」「博物館の下あたり。」「へえ、あそこにヤマメがいるんだ。」
 そうなんです、いるんです。仙台駅から歩いて20分、市内の中心を流れる広瀬川には清流に棲むヤマメがいるんですよ、おかみさん。

寝てる場合じゃない
 今回の旅は出張です。(それなのにウェーダーや釣り道具一式を持っているのが不思議ですが・・・)ですので自由にあちこち釣り回るわけにはいきません。それに足(移動手段)もない。翌朝は八時より仕事だから釣りは夕方か、と普通は思うのですが朝は四時頃には空が白み始めて来ます。駅近くのホテルから歩いて20分、往復1時間と見ても朝食が7時からだから2時間は釣りが出来る計算です。せっかく仙台まで来たのだからやるしかない、目覚ましをセットしてベットに潜り込みました。
 釣りの朝はすっきり目が覚めます。ホテルを出て川に向かうと途中、有名な繁華街・国分町を通ります。そこでは朝まで遊んで帰る途中の若者とたくさんすれ違います。ここではロッド持って歩く私は不似合い。足早に青葉通りを西へ向かいます。
 しばらく歩くと川に当たるので早速下りて準備開始。とはいえ初めての場所なのでポイントもわからないまま釣り開始。大きな淵から釣り下ることにしました。魚がいそうな雰囲気がありますがそう簡単には釣れるものではありません。それにこのあたりではヤマメの放流はほとんどしていないようですし、釣れればラッキーかなと淡い期待をしながら釣り下り。左岸側を移動したのですがいいポイントを前に崖に行く手を阻まれる。時間もあんまりないけどここまで来たからにはと上流に戻り、浅いところを見つけて右岸に移動。瀬尻を狙います。
 どうしても流ればかりを見てしまうのですがここの下流側は木が生い茂り、まるで米代川でサクラマス釣りをしているかのよう。ここならいるかもとシンキングミノーをキャスト。流芯を横切ったあたりで細かなアクションをつけると、喰った!銀色の魚。ニジマスかなと思いつつネットに入れるとうっすらパーマークが残るヤマメでした。やった〜、いました、都会のヤマメ、25センチ。もう一声サイズが欲しいのですが、早起きした甲斐がありました。今朝はこれで十分。ホテルに戻って朝食です。



両岸の崖でアクセスが
限られる中流部



パー系(上)とスモルト系(下)


ササ濁りでコンディション良好

雨の日にわかること
 仕事が終わり、この日の夕方、朝より少し下流を攻めることにしました。午前中に降った雨で川はいい感じに濁っていますが魚の反応はありません。しばらくするとゴロゴロと雷が鳴り、雨が強くなってきました。カーボンロッドに雷が落ちては大変ととりあえず橋の下に避難。しばらくして小降りになってきました。また朝のポイントに行けばいい思いが出来るかも・・・と移動を決定。ヤマメを求めて釣りを再開。
 しかし、しばらくするとなんだか異臭が周囲に漂い始めました。そしてルアーに白いゴミが付きはじめて・・・。これは、トイレットペーパーです。聞けば仙台市では川沿いの地域ではまだ合流式のところが多いというのです。そのため雨量が増えると下水が直接川に入ることになってしまうようです。臭いとペーパーのカスでとても釣りにはならないので終了することにしました。
 合流式の下水道システムについては仙台市でも改修を考えているようですが、大規模な工事となるため、なかなか進まないようです。
詳しくは、
仙台市下水道ホームページ
http://www.city.sendai.jp/kensetsu/gesui/what/gouryuu.html
をご覧ください。

いざ、本命のポイントへ
 それでもあきらめられずに翌朝も同じポイントからスタート。しかしまだ水が引いていないのか、ヤマメには出会えませんでした。そこで今度は中流部へ移動。いくつかポイント探しながら移動しますがやはりまだ前日の増水を引きずっています。
 めぼしいポイントには車がとまっていて先行者がいるようですが早朝からやっていれば時間が空いているはず。準備をして川におります。
 広瀬川中流部は両岸が崖になっていてアクセスはあまりよくありません。そのため魚影も濃いようです。下流では濁りが強かったのですがここでは釣りにちょうどいい濁り加減。いかにもというポイントからは魚は出ませんが、竿抜け(先行者が攻めていないと思われるポイント)からはそこそこのサイズ(20センチ前半)の魚が出てきます。
 ここで釣れた魚はヤマメのみでしたが俗に言うパー系とスモルト系の2種類の魚が出ました(写真参照)。パー系とはパーマーク(幼魚斑紋)のあるヤマメを呼ぶときの釣り人の呼び方で、このパーマークは縄張り意識を表していると言われています。一般にはヤマメといえばこちらも思い浮かべる方が多いかもしれませんね。
一方、スモルト系はパーマークが消え、全体が銀色になっているヤマメを言います。こちらはサクラマスやサツキマスのように海に下る魚が海水に対応するために銀毛すると言われていますが、川に残る個体でも大きな淵やプールが海の代わりとなり、移動しながら生活する個体もスモルト化(smoltification)すると言われています。どちらのタイプも今回出会えた魚たちは体高があって、幼い顔立ちの割にはボディはマッチョ。広瀬川に魚の餌が豊富であることを表しているようでした。
 その後もっと上流のニッカウヰスキー工場付近に移動。ここでもヤマメ、イワナと遊ぶことが出来ました。ちょうどいい雨に出会えたこともあり、いい釣りになりました。秋になれば尺上サイズになったヤマメたちと遊ぶことも期待できそう。年券も買ったし、また来たいと思う広瀬川でした。

<フィッシングデータ>
ロッド:
ufm サーフェイストゥイッチャーSTS-56i、 Palms Jade Mirror JCGS-60L
リール:ダイワ セルテート2004フィネスカスタム、セルテート2500Rカスタム
ライン:バリバス スーパートラウトアドバンス6lb、同VEP4lb
ルアー:スミス D−コンタクト、スカジッドデザインズ チップミノーS他

問い合わせ
広瀬川・名取川漁業協同組合 0573-65-5118


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