MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
http://www.mizukan.or.jp



僕らが旅(釣り)に出る理由〜後編〜
 
湿原の釣りは楽しかった。でもやっぱり澄んだ水のところで釣りたい。
そしてメモリアルフィッシュがここでも・・・。

2007年11月 8日 犬山 清史(全国水環境交流会)







やはり蛇行部がポイント


顔がなんだかおちゃめ


摩周温泉市街地の釧路川






静寂の茶別川


晩秋の風物詩


こんなところがポイント


イカツイ顔つき
■ダムのない川
 釧路川は屈斜路湖を水源として釧路湿原を通り、海へ注ぐ全長154kmの川です。今となっては珍しいダムのない川で、そのためアメマスのような遡上系の魚がかなり上流までのぼっていきます。聞けば中流部は渓相も変わり、砂利州が現れ水も澄んでいるとのこと。湿原に別れを告げて車を上流に向けます。
 標茶町あたりは堤防の工事をやっていて釣りにくそうなので磯分内付近まで移動しました。

■ねばるが勝ち
 国道脇から堤防の上をトコトコ走りながら川をのぞき込みます。両岸に堤防が出来ていて、堤外の高水敷は牧草地、堤内地は牧場。牛たちがのどかに草をはんでいます。川を覗き込みますが魚がつきそうな場所が少なく、適当なところに車を止めて釣り開始。湿原ほど濁ってはいないけど川の中は見えないので同じルアーを投げてみる。二投、三投、ヒット!ここにもいた。少し流れのあるところです。湿原より障害物もないし、釣りはしやすい。ちょっと魚影は薄いけどポツポツ魚が遊んでくれます。日があがっておなかもすいてきたので摩周温泉のおそば屋さんでおなかを満たします。かねはちというこの店、ちょっと気に入ってしまいました。この辺りではかしわそば(鶏そば)がポピュラーらしいのですがここのお店の鶏肉は親鳥を使っているということで歯ごたえもバツグン。天かしわ蕎麦、しかも大盛りで大満足。
 午後からは最初のポイントの下流から釣り上がるも反応なし。結局最初のポイントに戻ってしまいました。そうしたらまた釣れた。「同じポイントに何匹かいるよ。」とショップの人が言っていたけど、魚の付き場がはっきりしていた中流域でした。日も傾き始め二日目も終了。この日は摩周温泉の川沿いの温泉に宿をとりました。

■「いるけど口は使わないよ・・・」
 地元で釣りをしているときは誰よりも先に入ろうと早起きして川に向かうのですが、ここではポイントもたくさんあるし、平日なら人も少ない。それに早朝は霜が降りてガイド(竿についている糸を通す部分)が凍ってしまい釣りがしにくい。だから今朝は釣りをせずに朝食前に早朝の釧路川ウォーキング。とはいえつい川の中に魚の陰を探してしまいます。しかし市街地では改修で河床もフラットになっていて水深も浅く、魚の付き場がありません。ブラブラ歩いてホテルに戻り、凍った車の窓の氷をゴリゴリ。神奈川じゃ最近は真冬でもやらない作業です。でもこれをやらないと出かけられないので朝食前のひと仕事でした。
 さあ、今日は最終日。釧路川を離れ、空港に近い茶路川に移動です。夕方の飛行機の時間までみっちり釣っちゃおうという作戦です。北海道の道路はきれいに整備されているし車も少ないから移動は楽なのですが、スケール感がちょっと違うのか思ったより時間がかかるのです。それでも原野の中を、牧草地の中を、時にタンチョウヅルを見かけたりしながらのドライブは、ああ北海道にいるんだなと感じさせてくれます。
 そんなこんなで約二時間。白糠町の茶路川に到着しました。ちょっと川沿いに走ると水が少ない。関東の川ならあきらめて移動ですがあまり時間もありません。少し上流の橋から下を覗き込むと橋桁まわりの深場にアメマスがたくさん見えます。よし、ここに決定。しかしショップで聞いた「茶路川は、いるけど口を使わないよ・・・」というイヤな言葉がフラッシュバックしたのでした。

■最高のロケーション、最高の魚
 でもやってみないとわからない。準備をして魚が見えたポイントの下流に回り込みルアーをキャスト。すると魚は反応するものの、なかなかフックアップ(針にかかること)しません。これが口を使わないということなのか。この川は水深がないため移動も容易。上流に美しい山々を見ながら一人河原を移動します。途中にはホッチャレ(産卵を終えたサケ)が転がっています。その中には動物に引きちぎられたような死がいも。そして足跡。そう、ここにはいるんですね。周りを注意しながら次のポイント探します。すると蛇行部の外側に倒木が沈んでいる場所があります。その上流にルアーを投げ、倒木の脇をかすめるように引いてくるとレギュラーサイズのアメマスが飛び出して来ました。やっぱりいるところにはいるんですね。数本釣って歩いているとボロボロなった鮭が泳いでいるのが見えます。あまり脅かすのも可哀想なのでいったん車に戻り、ルアーを交換して今度は釣り下ることにしました。
 河原にはタイヤの跡があり、釣り人が入ったことがわかりますが魚はポツポツと釣れます。そしてあるポイントではアメマスが川底にベッタリくっついているいるのが見えます。しかし見える魚は釣れないというのは釣りの決まり事。なるべく水深のあるところルアーを投げ、底まで落としてからゆっくり引くと川底でギラッと魚が動くのが見えました。よし、喰った。口を使わないはずのこの川のアメマスが驚くぐらいルアーにアタックしてきます。川底を這わすためにシングルフック(通常ルアーのフックは三本が一つになっているものが多いのですがこれは一本)にしてあるので魚に対するダメージも少なく、手返しもいい。飽きるぐらい(オーバーかな)に釣ることが出来ました。そして一級ポイントと思われる流芯が岸にぶつかるところでは最大サイズがヒット。大物を想定した仕掛けではないのでうまく駆け引きをしながらネットイン。この旅で最高に格好いい面構えのアメマスでした。サイズも60センチ級。こんな魚がいるんだなあと改めて北海道の豊かさに感動。沢山魚も釣ったので粘ることなく白糠のラーメン屋さん「やはたラーメン」でおなかを満たし、空港に向かいました。

■ありがとう、また来るよ
 釧路空港を飛び立つMD機。上昇しながら左に大きく旋回するとさっきまで釣りをしていた茶路川がはっきりと見えてきました。レンタカーで走った道路をたどりながら車をとめた橋を探します。あった、あそこだ。すると大物が出たのはあの場所か。今回行くことの出来なかった中流から上もよさそうな渓相です。 「来年もまた来よう。」そう思わせてくれた茶別川。僕がここに来た理由は、次の旅のきっかけ作りだったのかもしれません。今度は面倒だなんて言わないで来られそうです。
 目が覚めると外は暗く、眼下には幕張メッセとマリンスタジアムが見えていました。東京湾を横切りもうすぐ羽田空港、夢のような3日間でした。ありがとう北海道、来年もまた来るよ。

<フィッシングデータ>
釧路川中流部:前編と同じ
茶路川:
ロッド:アングラーズリパブリック ジェイドミラー JCGS−60L
リール:ダイワ セルテート2004フィネスカスタム IOSファクトリーチューン
ライン:バリバス スーパートラウトアドバンス VEP5lb
ルアー:スミス Dコンタクト63秋バージョン、同50、Taki_minnow


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