MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
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春の使者、海より来たる(前編)
 桜の花の咲く頃、海から春の使者がやってきます。そしてこの魚を狙う人たちが川に集まってきます。なかなか釣れないけど、これを釣ってこそ春を迎えることが出来るのです。

2008年4月7日 犬山 清史(全国水環境交流会)



市街地を流れる松川では
桜が見頃




富山ブラック、黒いっ!




海から近いポイント




有名ポイントJR鉄橋

■おじさん、わかってるよ・・・
 「魚かかったらもっと竿を寝かさなきゃダメだよ。」
と、地元のおじさん。私がバラしたのを一つ上の水制で釣りをしながら見ていたらしい。そう言ったって仕方ないじゃん、もう逃げられちゃったんだから。
 富山県神通川、河口から近いこの場所は4月のサクラマスの好ポイント。釣り場所が限られた区間のため、人も多く、混雑します。私自身はこの川での釣りは初めてだし、川の様子もわからないままの出発となりました。
 解禁日でさえ6本しか釣れていないということでボウズ覚悟での釣行。そして朝現場に着くと暗いうちから人がいて、一級ポイントには入れません。そんな場所で魚を掛けたのに逃げられて、おじさんにはだめ出しを喰らう。
 しかしなぜだか残念という思いはしません。もちろんとれればよかったけど、魚がいることを確認できたし、初めての川での魚とのコンタクトに自信がつきました。まあこんなもんじゃないの、という謙虚な気持ちが魚に伝わったのでしょうか。神にその思いは通じたのでしょうか。

■富山ブラックとは?
 初めての川、確率の低い魚、混雑が予想されるポイント、釣りの前夜は悩みます。まあこんな時はとりあえず名物で腹を満たしましょうということで富山ブラックと呼ばれるラーメンを食べに行くことに。
 その名前はこの真っ黒のスープからきています。見た目通りかなりしょっぱい。高血圧、糖尿病の方、飲んではいけません。聞けばこれは「おかずラーメン」だそうで、ごはんとセットで食べるのが普通。ダブル炭水化物最高!の私にはぴったり。これをすすりながら思うのは翌朝の川の様子。
 ラーメン食べて早めに寝て翌朝寝坊しないように早めにベッドに入ることにしました。

■ますのすしの「鱒」
 富山名物といえばますのすし。これもおいしいですね。かつてはこのお寿司の上の鱒は神通川にのぼってきたサクラマスだったようですが、河川環境の変化により漁獲高が減り、現在は多くが輸入のお魚ということ。残念な気もしますが日本各地で同じような状況を耳にします。
 そんな中での神通川のサクラマス釣り。現在はライセンス制になっていて竿釣りでの遊漁者は70名と決まっています。ですので釣りをしたければまずは抽選に当たらなければなりません。今回私はラッキーなことに抽選番号ギリギリで滑り込みセーフ。決して安くない31000円と引き替えに今年の遊漁の権利を手に入れたのでした。
 そして朝。土手に立ち、川を眺める。明るくなり始めると車や釣り人がたくさんいることに気づきました。これは急がねば。事前に得ていた一級ポイントには入れず、仕方なくいくつかある水制工の上に。釣りを開始してからも続々人がやってきます。どうせ釣れないだろうなと思ってやっていたらヒット!しかし合わせが弱かったのかバラしてしまいました。
 しばらくすると周りから一人、また一人と釣り人が帰っていきます。どうやら皆さん出勤前に竿を振っていくようです。確かに朝が一番いい時間帯ですが、それにしてもうらやましい。地元組の確率が高いわけです。その後反応はなく、日が高くなっていきました。

■I've got mail
 日もあがってきたのでランチがてらに休憩します。午後からはどうしようか、確率は朝マズメの方が高いから今日はもうやめて明日に備えるか。とりあえず知人に朝の様子をメール。すると返事が、「まだまだチャンスありますよ!頑張って下さい!」そうだ、わざわざ富山まで来たのだからあきらめるわけにはいかない。うどんをすすって再度川に入ります。
 朝はいっぱいで入れなかったポイントも昼間は狙って入れます。しかし魚の反応はありません。朝からルアーをボンボン投げられているし、解禁から4日もたてば魚もスレて当たり前。解禁日でさえ6本という情報なのに真っ昼間に釣れるわけないですよ。解禁日よりいい方の条件といえば潮回り。大潮前の中潮です。大潮まわりには魚が海から入ってくると言われています。そして川にはいると口を使いにくくなると言われるサクラマスですが海から入った魚は食性が残っていて小魚などに似た色のルアーがいいという話。そこでブルーバック(背中が青い)のミノー(小魚型のルアー)を結び、日が傾き始めた川にひたすらキャストを続けるのでした。

後編へ続く→

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