MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
http://www.mizukan.or.jp




妄想癖
 雨が降るかと思えば集中豪雨、降らないとカラカラ。そんな天候ですから釣りに行く場所にも困ってしまいます。でも東北なら尺を越える魚がウヨウヨいるんだろうなんて思っていたのですが現実は甘くなかったのです。

2008年8月4日 犬山 清史(全国水環境交流会)




田子町の名産はニンニクです




ボサ際から魚が飛び出る
予定でしたが・・・




田んぼの中を流れる熊原川




予想外、尺イワナ



イワナはここに隠れていました。



田んぼ、山、川
理想の釣り空間

■本州のトラウトパラダイスへ
 北海道を除けば東北地方は鱒釣り師にとってはまさにパラダイス。50cmに迫ろうという大山女魚が潜む雫石川水系、サクラマスで有名な三陸・宮古の閉伊川、カラフトマスの遡上する下北半島の川。
 きっと東北の川はサイズだけでなく魚影はものすごく濃くて、ルアーなげると何匹もの魚が追いかけてきてそこはまさにトラウトハーレム状態なんだろうと考えていました。とはいえ人気の高い川も多いからちょっとマイナーな川がいいのだろうと地図を眺める。そしてネットで検索。天気予報とにらめっこして青森釣行を決定したのでした。

■新幹線でエコ出釣!
 これだけガソリンが高いと車で行くのは気が引けます。それに青森となると東京からとなると結構遠いし。初めてのはやて号(盛岡以北は)に乗り目指すは八戸。途中仙台あたりはやはりカラカラ。仙台在住のS君からは「広瀬川はぜんぜん水がありませんよ」とのメールが。確かに新幹線から見ると渇水のようです。これでは上流での釣りも難しいでしょう。そして気になるメールも。「北上川の上流ではかなり降っているらしいです」と。こんなときはリアルタイム川の防災情報を携帯電話でチェック。すると盛岡あたりには強い雨の印が出ています。
時々横切る北上川をのぞくと真っ茶色。盛岡駅付近を見る限りでは御所湖の上流もかなりの増水が予想されます。もしよさそうなら新幹線下りて目的地変更と思いましたがそのまま八戸に向かうことにしました。
 八戸に到着、ホテルにチェックインしてレンタカーを借りようと外に出るとさぶい!半袖では寒すぎるくらいです。とりあえず川を見に行こうと走りますがもう暗くて様子がわかりません。大手釣具店に行っても情報は乏しく、とりあえず朝になったら考えることにしてホテルに戻って居酒屋へ。八戸といえばイカですから活イカの刺身をオーダーとおもったら一パイ1480円なり。ちょっと高いのでこれはあきらめて三陸産のアイナメ(むこうではアブラメ)のお刺身や小川原湖のシジミ汁などを頂き鋭気を養いました。

増水の原因
 翌朝は4時に起床しホテルを出ます。しばらく走ると馬淵川本流が見えてきました。ナビを見ながら国道をそれて橋から川を覗き込むと増水+濁りでとても釣りは無理そうです。まあ上流に行けばなんとかるに違いないと三戸付近から支流の熊原川に入ることにしました。しかしここも釣りにならない状態です。きっと上流で降ったのでしょう。最近、川での事故が多く、無理をするわけにもいきません。結局3時間ほど走り回り、なんとかたどり着いたのは田子(たっこ)町の熊原川上流の杉倉川。上流にダムがあり、多少は水量がコントロールされているみたいですがなかなか濁りはとれません。おかしいなと川沿いに車を走らせているとあちこちで工事をしています。なるほど濁りの原因はこれだったのか。
 そこで工事をしている場所の上流に入渓。ルアーを投げるとすぐにヤマメが釣れました。「まさかここがトラウトパラダイスなのか・・・」その後ポンポンと数匹釣れましたが反応はなくなりました。おてんとさんも高くなったので川をかえることに。思い切って奥入瀬川に行くことにしました。
 遊漁券を買ったお店で地震の影響を聞くとニュースで頻繁に報道されていた奥入瀬渓谷では被害があったけど他は問題とのこと。十和田市内から川を見ながら釣ってみることにしました。しかし奥入瀬川は渇水です。川に入ってももやっとした暖かさ。少しずつ上流に移動しますが気がつくと奥入瀬渓谷の入口まで来てしまいました。ここでは小さなヤマメが釣れましたがその後反応なく、八戸に戻ることにしました。
 
■里川の尺イワナ
 2日目、まだ水が多いようですが水位はだいぶ下がっています。早朝なら工事もないので濁りも少ないはず。前日目をつけておいたポイントをいくつか叩いてみますがどうも水温が高いらしく、魚の反応はありません。
 思い切って上流に移動し橋のたもとに車を止めて釣り上がることに。川に入ってしばらくすると岩盤をえぐるように川が流れています。こういうスリットのところに魚が居るんだよなあと釣り上がりますがさっぱり反応なし。増水のあとがはっきり見えてゴミも多く、中には名物のニンニクも川の中に転がっていました。
 やっぱりここもダメかと思っていると右岸側に小さな沢が見えます。夏の水温の高いときには冷水が入る合流点に魚がたまることが多いのです。すると予想通りに水中で魚がぎらっと反転するも針にかからず。ここはいる・・・と釣りを続けているとまた定番の落ち込み+白泡のポイント。しかしここでも反応はなく釣り上がろうと思ったのですが対岸に小さな落ち込みがあります。まあ一応ルアーを入れておこうかとキャストすると・・・居ました。ヒット!しかもいいサイズです。しかし手前には太い流れが。思い切って抜き上げる勇気もないので流れに乗せて下流側で取り込むことに。なんとか流芯を横切らせネットインするとヤマメでなくて30cmのイワナでした。さっきの沢から落ちてきた魚でしょうか。いいサイズはこの魚のみでしたが予想外のイワナにビックリしながらもうれしい出会いでした。

■里の川、理想の川
 関東圏で渓流魚を釣るのはどちらかというと石がゴロゴロした山岳渓流が多く、田んぼの中を流れる川はシーズン初期の釣りという感じがあります。それに海沿いで育った私には田んぼのある風景というのは新鮮でこころ癒されるのです。
 川を釣り上がり、陸に上がると必ず出会う。そうです農作業をしているおじさんとの会話がまた楽しいのです。「おはようございます」と挨拶すると「お〜どうだ、釣れたか〜」とみんなニコニコと話しかけてくれます。釣れても釣れなくても釣り人が多いかとかおじさんの子ども時代の川の様子とかをしばらくおしゃべり。
 時には「あそこにはでっかい魚がうようよいるぞ」とか教えてくれる人もいますがだいたい外れが多いですね。
 駅に戻って初めて翌日から八戸三社祭が始まることを知りました。地震の影響でお客さんが少ないということでしたが私の行った場所では何も被害を感じることはありませんでした。
 釣果は満足とはいきませんでしたが、山があって、川があって、田んぼがあるいい川でした。今度は本流で釣りをしたいと思いながら帰りの新幹線に乗り込みました。

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