MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
http://www.mizukan.or.jp



<全国水環境交流会通信 from U.K 第5号>
 全国水環境交流会のみなさん、こんにちは。
 日本もワールドカップで盛り上がって盛り上がっているのでしょうか。アルゼンチン、クロアチアと惜しいところで負けてしまいましたが、ジャマイカ戦に期待しましょう。
 さて、今回はEye on The Aireという市民団体を紹介したいと思います。以前にも少し触れたと思いますが、グランドワークトラストなどと違い、日本の市民団体と同じような形態をとっています。毎週のようにイベントがあり、私も数回参加しました。やはりこちらでも団体同士のネットワークというものはしっかりしているようで、他の団体と協力したイベントも多くあります。

Eye on The Aireについて
 Eye on The Aireは、1988年ヨーロッパ環境年にLeedsを流れる21マイル(約33.6キロ)のAire川(The River Aire)の環境改善を進めるために設立されたボランティア団体で、40以上のボランティアグループによって構成されています。Leedsの中心部に事務所を構え、数名のメンバーが臨時職員として運営しています。活動資金はLeeds City Council とThe Environmental Agencyの助成金、スポンサー・有志からの寄付によってまかなわれています。Eye on The Aireは1988年からBradford(地名です)とLeedsの下水処理場から出される処理水によって汚染されていたAire川の浄化を中心に、活動を続けて来ました。1994年にはこうした活動が認められ、2つの処理場に対しおよそ3000万ポンド(69億円)の予算がつぎ込まれる事になりました。この事業によって、今までひどかった川の質は産業革命以前に戻り(ちょっとオーバーな気もしますが)、多くの魚達と水棲生物が戻り、水辺での楽しみの可能性が大きくなるだろうと言っています。確かにAire川の水質は見た目にもいいものではありませんが、80年代に町の中心部は行政によって再生運動が行われ、日本でいうようなウォーターフロント開発が行われました。川沿いの近くのビール工場が経営するレストラン(鶴見のキリンビアビレッジみたいなもの)、陸軍博物館などとともに観光の目玉になっています。Leeds&Liverpool Canalとリーズ川をクルーズする船はなかなかの盛況です。
彼らは、今も処理場の改良状況を監視するとともに、現在では郊外を流れる川に流れ込む小川の環境質の向上を主眼としているそうです。今週末はこの下水処理場を見学する予定です。
彼らの主な活動としては、
・イベント案内の発行
・カヌーの試乗会
・川歩き
・下水処理場の見学会
・流域の歴史、文化遺産を歩く
・バードウォッチング
などです。
先週末は電車で30分ほどのHuddersfieldを流れるThe River Colneの川歩きに行ってきました。沿川の工場からの汚水の流入、上流部で合流する運河の水によって水質はあまりよくありませんでした。参加者は11人(子供2人を含む)でした。

〈全国水環境交流会通信 from U.K. 第6号〉
全国水環境交流会の皆様、こんにちは
 ワールドカップでは1勝も出来ずに、賛否両論みたいですね。城選手は空港で水をかけられたとか。イングランドも負けてしまったので、イギリスでの話題はウィンブルドンに移っているようなところがあります。
 まず、今回の通信が遅れたことをお詫びします。今週は寮の引っ越しがあったために送信することが出来ませんでした。今回の引っ越しも10日間の暫定的なものなので、住所などは後日連絡したいと思います。まだ、学校が1週間残っているので自由が利かないのは変わりないのですが、とりあえず、この2ヶ月、いろいろな人と接触して気づいたことを考え直してみました。

□自然環境の保全・復元の技術でイギリスに学ぶものはないのでしょうか。
 ここ数年のビオトープブーム(ブームでないことを祈りますが)の背景にドイツの影響があることは誰の目にも明らかです。多自然型川づくり、生物と共生するまちづくり、などなど。一時期のランドスケープ系の雑誌はこぞって「カールスルーエの」とか「バイエルン州における」といった特集を組んでいました。それに比べて同じヨーロッパでもイギリスはそれほど注目されませんでした。確かにグランドワークトラストやBTCVなどソフト面を中心に多少は取り上げられましたが、ドイツほどではありませんでした。どうしてでしょうか。これは私がここに来る前の一つの疑問だったのですがこの2ヶ月で少しづつわかってきたのは、よく言われることなのですが、この国は様々な面で日本と似ているということです。良かれ悪しかれおかしな伝統をかたくなに変えようとしないところや最近では経済状況しかり。案外と取っつきにくいイギリス人の性格も似ているかな?現在はポンドが強いといえ、失業率は高く、町にはホームレスをよく見かけます。河川を考えてみるとご存じのように日本ほど治水対策が必要ではないのですが、自然にやさしい工法として、柳を使った工法(粗だ工法)はこちらでも多用されているようです。(本でしか見たことはありませんが)北部に行けば行くほど地形の起伏が激しく、小川がたくさんあります。
 このあまりに似ているところがイギリスを注目させない理由の一つなのではないでしょうか。市民運動(私はこの言葉をどう訳したらいいか悩んだのですが、Environmental Campaignというのが一番近いようです。)を見ても、行政や市民団体同士の連携はテーマの一つですし、私の参加した範囲では川歩き、カヌー乗船会、自然観察会といった活動内容も日本とほぼ一緒です。ですから、こうしてレポート書いていても逆に日本と違う点を探す方向に進んでしまいます。ですから以前も書いたかもいれませんが、「日本の市民運動もまんざらではないな」と強く感じるのです。それどころかイギリス人は日本の市民運動や工法・技術に興味を持ち、少しでもそこから学ぼうという姿勢を見せてくれました。私は日本から数十枚のスライドを持ってきて、何回かイギリス人の見せたことがあります。すると熱心にいろいろな質問を投げかけてきます(社交辞令かもしれませんが)。市民運動の資金はどうしているのか、この工法はどういう構造になっているのか、だれが運動の中心なのかなど。最近の話題では川の日ワークショップについて興味を持っているようでした。こうした質問に対し、私の語学力では説明するのはえらく難しいのですが。こうしたことは私に自身を与えてくれました。
 なぜかもう日本に帰るような文章になってしまいましたがまだ2ヶ月はこちらにいる予定です。

 さて話は変わりますが先週末、今週末と前回お伝えしたEye on The Aireのイベントに参加しましたので簡単にレポートしたいと思います。
6月27日(土)
GUIDED TOUR KNOSTROP WASTE WATER TREATMENT WORKS 
 Eye on The Aire主催のRiver Aire沿いにある下水処理場の見学会に参加しました。私は時間ぎりぎりに行ったので楽しむことが出来なかったのですが、ここでも始まりはお茶とお菓子が用意されていました。Tea timeはイギリス人にとって大事な時間みたいです。この処理場での取り組みをOHPで紹介した後、2グループに分かれて施設を見学しました。ちなみに参加者は25人ほどで、親子連れも数組いました。比較的高齢(といっても60代ぐらいか)の夫婦での参加が目立ちました。こうした会に夫婦で参加しているのはイギリスに来て良く見かける風景で、うらやましい気がしました。彼らは熱心にメモをとったり、質問をしたりしていました。 広い施設のため遠くの施設は車で回りました。バクテリアを利用した浄化施設、汚泥の焼却釜、コンピュータルームなどを見学しました。私はこの分野が専門ではないのでよくわからないのですが、施設そのものは日本とそれほど違いはないのではという感じがしました。とはいえ、やはり匂いはかなりきつく、終わる頃にはトリップ状態になってしまいました。下水処理場の見学は小学校の社会見学以来ですが、自分の汚した水が浄化されてまた川に戻っていくのだということをあらためて認識する機会になりました。

7月4日(土)
SWILLINGTON BECK WALK
引っ越しを朝早く済ませて、Eye on The Aireのイベントに参加することにしました。今日の参加者は8人で、もう顔なじみの人も何人かいます。失業者が参加した小川の再生事業などを見て歩きましたが、おせじにもきれいな川とはいえないものでした。とはいえ、10時半に集合して2時間半ほど、なかなか楽しいものでした。こうしたイベントの際にはいつも集合場所に駐車場があるところ選んでいるところがイギリスらしいところです。郊外ということもありますが、事実多くの人が車で来ます。私はバスか電車ですが。帰りはいつも一緒になる男性に送ってもらいました。

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Colne川について地元の人から話を聞く。

下水処理池をのぞき込む。結構くさいんです。当たり前だけど。

かなり濃いキャラのおじさんです。