MIZUKAN
National Association for Local Water Environment Groups
http://www.mizukan.or.jp




全国水環境交流会通信 From U.K. 第11号〉
16th August 1998
 Brightonでリゾート気分を十分に味わって、Leedsに帰ってきました。こちらはまた涼しく、雨が降ったり日が射したりの典型的なイギリスの天気が続いています。湘南生まれ湘南育ちの私としてはBrightonの天気が恋しい。快適さという点ではこちらですが。日本では東北、北陸と梅雨明けしないような状態が続いているそうで、作物への被害が心配されます。イギリスでも今年は冷夏で、ただでさえ晴れ間が少ないイギリスですから、みんな気温が低くてもここぞとばかりに半袖やノースリーブで日の光を浴びています。全国大会の足音が近づいて来ましたのでそうのんびりしてもいられません。矢作川河口堰の建設計画が撤回されるなど日本の動きも激しいですね。今週はLeedsにもどりグランドワークの活動に参加しました。
(今回のお知らせ)
■1.River Ocean Research & Educationを訪問 (Brighton)
■2.Rothwell Colliery Project
■3.Woodland Sculpture
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■1.River Ocean Research & Educationを訪問 (Brighton)
 Brightonに行ったついでに(?)、RORE(River Ocean Research & Education)を訪問しました。ROREは行政、民間、財団などから助成を受けて活動するNPOで、水環境に対する意識を高め、活動を推進することを目的としているそうです。ここはその名の通り、川と海を活動の対象にした団体で、スライドを見せてもらった印象からすると、そのロケーションもあって海での活動が多いようです。その活動は大きく分けるとイベントと川や海歩きなどのウォーキングの2つがあり、イベントでは海の生物の展示、生き物に触れることの出来る水槽、砂を使った芸術、劇など様々で、やはり子供を対象にしたものが多いという印象でした。また、ウォーキングでは途中で生物などを調べながら川や海を歩くそうです。日本の川歩きと同じといえるでしょう。いろいろ資料をもらいましたが、どのパンフレットもカラフルで凝ったものです。私が行ったときには職員2人とボランティア1人が働いていました。忙しい時期ということで川や海にはつれていってもらえませんでしたが、教えてもらった川を歩いてみることにしました。ROREに関する詳しい情報はWebでどうぞ。(私はまだ見たことはありませんが)http://www.rore.org.uk
■2.Rothwell Colliery Project
 Rothwell Colliery Project(以下RCP)はGroundwork Leeds(以下GW)が手がける最も大きなプロジェクトの一つで、GW, Leeds City Councilとのパートナーシップ事業です。RCPは使われなくなった炭坑(露天掘り)を環境改善し、122エーカー(約50ha)のカントリーパークにしようというものです。森や池、花畑、小道などをつくっていますが、なにせえらく広い土地なのでいつ出来ることやら、検討もつきません(現在もトラックが走り回っています)。全体構想はLeeds City Councilによるものですが、現在、住民が手がけているエリアはGWのデザインによるものだそうです。今回の作業は次回子供達が丸太でベンチをつくる際の雨よけをかけるだけのものでしたが、木を植えたり、フェンスをつくったりと住民の手によって様々な作業が行われたそうです。当日は近所のボランティアの人が2人、多分退職していると思うのですが、来ていました。GWはこの地区で、失業者に対してのトレーニングプロジェクトを行っており、これは職を見つけるために様々な園芸・造園に関わる作業、例えばレンガ積み、フェンスづくり、植栽などを教えるものです。まだ話しか聞いていないので具体的にはわかりませんが、来週はそのトレーニングセンターへ行く予定です。
■3.Woodland Sculpture
今日(16日)は、GWのイベントに参加しました。しかし、私以外にだれも来なかったため、GWの職員2人と私だけでやることにしました。今日の内容は森の間引き作業で生じた丸太や枝を使って芸術作品をつくろうというものです。作品の出来不出来は別として、久しぶりに自分の芸術的センスを試すことが出来て楽しかったです。GWに限らず、共通して言える事だと思うのですが、環境教育を考えるにあたり、単に虫や植物、生態系のシステムを学ぶだけでなく、自然と芸術作品の融合みたいなものが意外に多く見られます。芸術家とのつながりも多いらしく、子供達のイマジネーションを広げるには大切なことかも知れませんね。

〈全国水環境交流会通信 From U.K. 第12号〉
23rd August 1998
 最近は夜が長くなってきて、このメールを書いている9時過ぎには日がとっぷりと暮れてしまいます。(それでも日本よりずっと昼が長いですが)こちらの人に言わせれば9月はもう寒くなるというので、Leedsでは夏が来る前に秋が来てしまうという感じです。
 今日、新聞(正確には新聞についている読み物)に面白い記事がありました。"This man gets up at 4am and spends six and a half hours of his day commuting, 50weeks a year. And he's done it for 30 years"というこの記事は、毎日水戸から鶴見まで通勤しているTadao Masudaさんの1日をとりあげたものです。何がおもしろいかって?言われてみれば面白くないですね。ただ、イギリス人がこういう記事を取り上げているところが面白いなと。日本人みんなとは言いませんが、かなりのイギリス人が日本人はworkaholicだと思っているのは間違いないようです。京浜東北線(関東の人しかわかりませんが)の吊革につかまる彼のコメントは「私は通勤を楽しんでいるとは言えないけど、時間の無駄だとは思っていない。仕事の後に酒を飲んでいる連中こそ時間を無駄にしている。」だそうです。彼は全国水環境交流会のメンバーには向いていない?
 今週もGroundwork LeedsのRothwell Colliery Projectを中心に動いてみました。

(今回のお知らせ)
■1. Herb Garden Construction
■2. Children’s Event
■3. Tree Nursery
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■1. Herb Garden Construction
8月18日(火)
 Rothwell Training CentreにHerb Gardenをつくりました。このトレーニングセンターは障害者の職能あるいは知的教育トレーニングのためのもので、Collieryのすぐそばにあります。ここの庭の管理は基本的にここで学ぶ人たちが行っており(草むしり、花の植え替えなど)、自然に触れるという目的の他に、技術的なものを修得するためにも使われているようです。当日の作業は、かつて温室があったところの基礎を利用してハーブガーデンをつくるというものでした。朝方は沢山の人たちが作業をしていたのですが、昼過ぎぐらいからはめっきりいなくなってしまい、結局GWのスタッフと私でレンガを積みました。道具もまともにないのできっちりは作れませんでしたが、なんとか1日で花壇の形は出来ました。私は参加できませんでしたが、2日目でハーブを植えたそうです。日本でも障害者の社会参加や健常者との交流が話題に上がりますが、GWの活動がこのようなところにまで及んでいるとは思いませんでした。GWのスタッフは既に施設の人たちとは仲が良く、彼らの活動が浸透しているということを感じました。
■2. Children’s Event
8月19日(水)
 コミュニティセンターに2グループの近所に住む子供達がやってきました。午前中は低学年の子供達を対象にしたもので、ゲームを通して自然を学んだり、虫を捕ったりする環境教育プログラムです。夏休みということもありますが、15人近くの子供が集まりました。みんな虫にはかなり興味があるらしく、だれかが、「クモをみつけた!」というとみんなそこに集まって行きます。珍しい虫を見つけた子供は私に自慢げに見せてくれました。たまに気持ち悪がる子供もいますが、全般的には自然に対してフレンドリーなようです。
 午後からは少し年上の子供達向けのプログラムです。子供達2人1組に使い捨てカメラをあげて、Collieryを歩きながら写真を撮り、来週は現像したその写真を使って工作をするというものです。何を撮っているのかなあと観察していると男の子はやはり今も作業しているトラックや重機、女の子は草や花などを撮っていました。人の写真を撮っている子供も多く、24枚では足りずに、もう一つカメラをくれとせがんでいる子もいました。
■3. Tree Nursery
8月22日(土)23日(日)
 土曜日にはRothwell Collieryの中につくるFlower Meadowの参考にとボランティアの人たち3人、スタッフ2人と花畑を見に行きました。翌日は圃場での作業となりました。しかし、また雨が降り出してしまったため、ビニールハウスのなかでの作業です。事前に刈り取っておいたワイルドフラワーの種を採取する単純な作業でしたが、ボランティアのおじさんやGWの職員と話をするいい機会になりました。Collieryに植えるための木や花を栽培しているこの土地は、市役所から借りているいわば市民農園の一角で、ヤナギやドックウッド、メープル、オークなどを育てています。種も子どもたちが集めたものなどを使っているということで、普通に買うと値段が高いということもあるらしいのですが、種から植えるところまで一貫して自分たちでやろうという方針らしいです。結局、今日も天気のせいもあってか、来たのは私以外一人でした。このプロジェクトには大学生のグループなどを含めて60人ほどのボランティアいるということです。

ここ数週間の調査で、グランドワーク(特にRothwell)の活動は実はとても地味で、本当に地域にとけ込んだ活動だということがわかりました。数年前にGWが日本に紹介されたときには行政、企業、住民の間に立ち、中立な立場でプロジェクトを進めるというビジネス的な側面がクローズアップされましたが、本当に大事なのはそのプロジェクトの過程、また終わってからもいかに地域との連携を取っていくか、そこが大事なのだと痛感しました。また、GWの若い職員達は本当に自分の仕事に対して誇りを持っているのだということを感じました。土日に活動があることも多く、なかなか好きだけではやっていけないのでないでしょうか。ビジネス面については、GWのやり方は少しビジネスライク過ぎはしないか?という声が聞かれるのも事実です。本当のところはどうなのか、来週GWを訪問していろいろ聞いてみたいと思います。

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プロジェクトの看板。

この作品の意味は・・・。

みんなで花壇作り。
子供達は虫や生き物に興味津々。

まだ工事中のためリフレクターのついた黄色いベストを着ています。

刈り取った草から種を取ります。